水平線を 描くように、暁の焔が 横臥する。

闇夜と別つ、果て無き 彩(いろ)は、
ややも 寂しき光景を、瞬きの間に 塗り替えて、
今日の始まり、誘う夜明け。

ご覧、あれが、火の山、氷の河。
ご覧、あれが、星の命よ、赫き熱、星の命よ、碧き塊。

目指した 陸地は、靄の果て。
捜し尋ねた、海図の洲は、海原 駆ける友に 乗り、
星座を連ねて、舵を切り、少年の頃に 夢馳せた、
冒険小説 片脇に、古ぼけたページを捲る、潮の風。

旧知の友を 訪ねるように、
祖先の道を 歩くように、
未開の森を 彷徨うように。

漕ぎ出だしたる、この海路、
何が 其処に 待つのか 知れぬ。
何が 真実なのか 辿り着いても、知れぬのだろう。

それでも、こうして 旅行くは、
それでも、こうして 尋ね行くは、
忘れてならぬ、あの頃の、僕を 捜しに行くのだろう。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

最新のコメント

日記内を検索