月輪の都 『大和』

2005年7月11日
天地に跨がる 光の塔は、明瞭なる 姿顕し 今、此処に。
見上げる眼が 滲むのは、それを幻と 知るが故。

島を繋ぐ 架橋の道は、朧の霧か 細き雲龍。
棚引き 惹いて、夢の橋。

山麗 湛えた 白き雲海。
波頭を描いて、ゆるりと流れ、蓬莱 此処にと、惑わす幻想。

来迎 望む、錦の色糸、実現 願う、姿と結び、
己が罪状、涙と流す。

乱れて 咲きし 華の群れ、霞の視野に 懐かしき、
心の人を 憶えては、指して 伸べたる 手を待たん。

豊穣たりし、秋津島。
湧水 滾たる、息吹の郷よ、
闇さえ、仄かに 柔らかき。

豊漁たりし、海神原。
紺碧 揺らぐ、懐の国、 
異界へ導く、道 在りき。

八百万の神々が、重なり逢て、寄り添うて、
そそ、と、傍ら 横臥する。

清浄なれと、穢れを 禊ぎ、
平静なれと、祈りを 捧ぐ。
万物総てに 宿りしを、神と決して 崇めて治む。
乱す勿(なか)れ、犯す勿れ、発(あば)く勿れ。 
其は、劫が一の 粒と知れ。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

最新のコメント

日記内を検索