月輪の都 『幻夢』

2005年3月23日
重なり 響く、その声は、迦陵頻迦の 謳のよう。
水鏡を 観るような、揺れる姿は、
慈悲の菩薩の 笑みのよう。

現われ来る 幻は、記憶に 留めぬ 筈だのに。
万感の想いを 引き連れ 甦る。

触れなば 消ゆる 幻ならば、そっと、そのまま、其処に居て。 
届いた刹那に 消え去る 幻ならば、
この指 延ばさず、其処に居て。 

空虚を掴む 虚しさを、この身に憶えて しまった故に
残る 哀しみ、招かぬように。 

幻だから、其処に居て。
幻だから、欲しい 言葉を ください、と。
幻だから涙 堪(こら)える 術(すべ)がある。

自身が 喚んだ、幻ならば。
自身が 望んだ、幻想ならば。

夢に様に 囁いて。

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