哀しみ 覚えて、謡う 旅人。
苦しみ 疲れて、臥す 民人。
喜び 忘れて、座す 武人。
寂しさ 隠して、躍る 舞人。
虚しさ 詠んで、彷徨う 俳人。
楽しさ 演じて、嗤う 芸人。

怯えを 拭えず、玉座で 震える 王が居る。
背後を 向けず、馬上で 焦る 覇者が居る。
至玉を 侍らせ、桃園で 餓える 女神が居る。
不遇を 知らぬ、楽園で 凍える 天使が居る。

こんな想いを 望んで得た 訳でない。
微笑み去った 聖の手には 何も ありは しなかった。
渇望したものは、いつも この眼に した事はなく、
空を掴んだ 絶命後、人の口の葉に のぼる頃。

溢れて 零れた 泪を 知らぬ。
満たされ 眠る、夜など 知らぬ。 
安堵を 求めた、国なのに。
未だ、流され、漂うばかり。 

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