月輪の都 『焔龍』
2004年12月6日地底の果てから 産声上げて、
地表を激しく 揺るがして、
地上の頂 彼方より。
闇に浮かんだ 焔の龍は、
産まれし 山より 駆け降りる。
ごぅと 爆風 牙の口。
山肌舐める うねりの巨体。
碧き立木は 悲鳴も嘆きも 上げぬまま、
瞬時に炭へと 姿を変えて、
空を逃げる 鳥さえも、熱の息吹で 吹き落とし。
鎮座す 巨岩も、焔の色に 塗り替えて。
沢に溢れた 火の河に、流れる音は 乾いて弾け、
生きとし 生けるものたちを、焼き滅ぼして、突き進む。
やがて 地獄の叫喚を、吼えながら 死に行くまで。
やがて 海へと投身してゆく、その時まで。
無数の命を 飲み込んで、一つの命となりし 焔龍の、
細めた眼が 目指す先、己を殺す 海の蒼。
空へは 飛べぬ 龍ゆえに、
海の蒼に 空 求め、
行く末 知りても 止まらぬ 命。
地表を激しく 揺るがして、
地上の頂 彼方より。
闇に浮かんだ 焔の龍は、
産まれし 山より 駆け降りる。
ごぅと 爆風 牙の口。
山肌舐める うねりの巨体。
碧き立木は 悲鳴も嘆きも 上げぬまま、
瞬時に炭へと 姿を変えて、
空を逃げる 鳥さえも、熱の息吹で 吹き落とし。
鎮座す 巨岩も、焔の色に 塗り替えて。
沢に溢れた 火の河に、流れる音は 乾いて弾け、
生きとし 生けるものたちを、焼き滅ぼして、突き進む。
やがて 地獄の叫喚を、吼えながら 死に行くまで。
やがて 海へと投身してゆく、その時まで。
無数の命を 飲み込んで、一つの命となりし 焔龍の、
細めた眼が 目指す先、己を殺す 海の蒼。
空へは 飛べぬ 龍ゆえに、
海の蒼に 空 求め、
行く末 知りても 止まらぬ 命。
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