月輪の都 『後朝の文』
2004年11月11日夜宵の睦を 忘れぬように、
囁く言霊 誓いのように、
逢瀬を重ねた 御簾を越え、扇を違えて 心を残し、
必ず君を 迎えに行くと。
清々しさと 麗しさ、朝露光る 野辺の草、
寝床を離れて 戯れ踊る、番いの蝶が 飛び交いて。
耳に届く 小鳥の唄に、囁く 木の葉ずれの唄、
髪を攫って 吹く風の、大地の香りは 内腑を濯ぐ。
例え 時空を 経てもなお、
古今の朝は 不変の廻り、途切れもせずに。
垣根の向こうを 求める心、
忘れ去られる 事はない。
妻問う夜を 重ね行く、営み永久(とわ)に 繰り返し。
切ない想いを 歌にして、筆は 時折、休むもの。
伝信送る 指とまり、電言鳴らす 手がとまり。
片時たりとて 離れていたく ないけれど、
そうも いかぬが 常の世 習い。
昨夜と同じ 道を行き、
昨夜と同じ 君を求め、
昨夜と同じ 宿を取る。
抱きしめ続ける 事はせぬ。
愛し続ける その為に。
寄り添い続ける 事はせぬ。
恋する心を 無くさぬ為に。
後朝の文を 送り続ける その為に。
もどかしさが 甘い甘い 疼きのように、
物足りなさが 愛しい愛しい 君を想う。
心 半ばに 留め置くは、今 暫くの 間でも、
余韻に 酔うて いたいから。
囁く言霊 誓いのように、
逢瀬を重ねた 御簾を越え、扇を違えて 心を残し、
必ず君を 迎えに行くと。
清々しさと 麗しさ、朝露光る 野辺の草、
寝床を離れて 戯れ踊る、番いの蝶が 飛び交いて。
耳に届く 小鳥の唄に、囁く 木の葉ずれの唄、
髪を攫って 吹く風の、大地の香りは 内腑を濯ぐ。
例え 時空を 経てもなお、
古今の朝は 不変の廻り、途切れもせずに。
垣根の向こうを 求める心、
忘れ去られる 事はない。
妻問う夜を 重ね行く、営み永久(とわ)に 繰り返し。
切ない想いを 歌にして、筆は 時折、休むもの。
伝信送る 指とまり、電言鳴らす 手がとまり。
片時たりとて 離れていたく ないけれど、
そうも いかぬが 常の世 習い。
昨夜と同じ 道を行き、
昨夜と同じ 君を求め、
昨夜と同じ 宿を取る。
抱きしめ続ける 事はせぬ。
愛し続ける その為に。
寄り添い続ける 事はせぬ。
恋する心を 無くさぬ為に。
後朝の文を 送り続ける その為に。
もどかしさが 甘い甘い 疼きのように、
物足りなさが 愛しい愛しい 君を想う。
心 半ばに 留め置くは、今 暫くの 間でも、
余韻に 酔うて いたいから。
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