月輪の都 『不諦』
2004年10月31日つい先程まで、出来ていた事なのに、と 愕然とする。
つい昨日まで、平然と歩けて いたはずなのに、と 首を傾げる。
つい今しがたまで、覚えていたのに、と
忘れた事さえ 虚ろになった。
痛い 痛いと、押さえみても、痛みが なくなる事はなく。
動け 動けと、念じてみても、思うとおりに 操れなくて。
思い出せと、深く潜ってみても、欠片さえ 見つからなくて。
眠りの縁から 目覚めたら、以前のように 戻れているかと、
希望 半分、瞳を伏せて、悲しき朝に 涙した。
手に入れる事に、躍起になった事も あるけれど、
今は 捨て去る事に、心を傾けてる。
悲観の末でも、忘却の彼方でも、厭世の果て でもない。
自暴自棄なんて、出来る程に 強くない。
他人に あたれる、権利もなければ、
己に 遺恨する程、罪の意識も無く、謙虚な姿勢も 持ち合わせていない。
本当に怖いのは、見えない患部。
病んだ事にも 気付かずに、裂けている事を 認めたくなくて、
手当ての仕方も、判らないまま、悪化し続けて いくんだもの。
体の傷が 心まで、潜り込んで 行かないように。
何時も 必死に 防御して、闘う事を 忘れない。
剛く、早く、何処までも、走れた日々が あったのだと。
蒼く、高く、澄んだ星火を、この目に映した日々も あったのだと。
細かく、優しく、触れた感触、この手に残した日々も あったのだと。
やがて 薄れて いくかも知れない 記憶だけれど、
何も無いより、きっと いい。
なくし始めた 今だから、漸く こうして 言えるのだけど。
何も無いより、良かったのだと。
つい昨日まで、平然と歩けて いたはずなのに、と 首を傾げる。
つい今しがたまで、覚えていたのに、と
忘れた事さえ 虚ろになった。
痛い 痛いと、押さえみても、痛みが なくなる事はなく。
動け 動けと、念じてみても、思うとおりに 操れなくて。
思い出せと、深く潜ってみても、欠片さえ 見つからなくて。
眠りの縁から 目覚めたら、以前のように 戻れているかと、
希望 半分、瞳を伏せて、悲しき朝に 涙した。
手に入れる事に、躍起になった事も あるけれど、
今は 捨て去る事に、心を傾けてる。
悲観の末でも、忘却の彼方でも、厭世の果て でもない。
自暴自棄なんて、出来る程に 強くない。
他人に あたれる、権利もなければ、
己に 遺恨する程、罪の意識も無く、謙虚な姿勢も 持ち合わせていない。
本当に怖いのは、見えない患部。
病んだ事にも 気付かずに、裂けている事を 認めたくなくて、
手当ての仕方も、判らないまま、悪化し続けて いくんだもの。
体の傷が 心まで、潜り込んで 行かないように。
何時も 必死に 防御して、闘う事を 忘れない。
剛く、早く、何処までも、走れた日々が あったのだと。
蒼く、高く、澄んだ星火を、この目に映した日々も あったのだと。
細かく、優しく、触れた感触、この手に残した日々も あったのだと。
やがて 薄れて いくかも知れない 記憶だけれど、
何も無いより、きっと いい。
なくし始めた 今だから、漸く こうして 言えるのだけど。
何も無いより、良かったのだと。
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