月輪の都 『夕ノ月』
2004年10月18日稜西へと 隠れる月は 宵月夜。
朱い輝き 薄暗く、手元の煙管が 音を立て、
落ちる 灯色の 如くかな。
細身の姿も 孤高の陰も、心に棲みし 面影と、
重なり 想いを反す 浅き宵。
何処か遠くに ひっそりと、佇む雰囲気 良く似てる。
見惚れる間もなく 空から消えた、連れない素振りが 良く似てる。
首筋残る 傷痕は、なぞる指を 求めてやまぬ。
白い晒しを 解いた日より、数えて幾歳 過ぎたろう。
色鮮やかな傷跡は、刻を経るごと 薄らいで、
歪な膨らみ 残して告げる。
忘れられる はずもなく、忘るる気など、ありもなく。
鏡に映る 契りを見ては、水面に落ちた 月の姿と、
同じ形かなと 嗤う口の端、涙が伝う。
あの日、重なり 倒れ臥し、冷たい板間に 零れた涙。
今も 乾く事なく 流れ落ち、ゆるり広がる 弐人の血溜り、
この瞳の 色さえ 染めた。
裂いた肉の色彩を しっかと心深くに 焼きつけて、
昨日の事の様に 繰り返しては、忘れ得ぬ。
白刃沈む、柔らかな 肌を切り裂く 感触と、
命消えゆく 双眸を、繰り返しては 忘れ得ぬ。
どうして私 一人だけ、この夜に残され 生くのだろ。
どうして私 独りだけ、この世に遺して 逝くのだろ。
耳を澄まして 声を辿り、心に棲まわせ 姿を想い、
眼を凝らして 月を探し、心に懲らしめ 刻を待つ。
朱い輝き 薄暗く、手元の煙管が 音を立て、
落ちる 灯色の 如くかな。
細身の姿も 孤高の陰も、心に棲みし 面影と、
重なり 想いを反す 浅き宵。
何処か遠くに ひっそりと、佇む雰囲気 良く似てる。
見惚れる間もなく 空から消えた、連れない素振りが 良く似てる。
首筋残る 傷痕は、なぞる指を 求めてやまぬ。
白い晒しを 解いた日より、数えて幾歳 過ぎたろう。
色鮮やかな傷跡は、刻を経るごと 薄らいで、
歪な膨らみ 残して告げる。
忘れられる はずもなく、忘るる気など、ありもなく。
鏡に映る 契りを見ては、水面に落ちた 月の姿と、
同じ形かなと 嗤う口の端、涙が伝う。
あの日、重なり 倒れ臥し、冷たい板間に 零れた涙。
今も 乾く事なく 流れ落ち、ゆるり広がる 弐人の血溜り、
この瞳の 色さえ 染めた。
裂いた肉の色彩を しっかと心深くに 焼きつけて、
昨日の事の様に 繰り返しては、忘れ得ぬ。
白刃沈む、柔らかな 肌を切り裂く 感触と、
命消えゆく 双眸を、繰り返しては 忘れ得ぬ。
どうして私 一人だけ、この夜に残され 生くのだろ。
どうして私 独りだけ、この世に遺して 逝くのだろ。
耳を澄まして 声を辿り、心に棲まわせ 姿を想い、
眼を凝らして 月を探し、心に懲らしめ 刻を待つ。
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