月輪の都 『片翼の月』・かたはのつき・
2004年9月14日夜露を凌ぐ 大樹の陰も、今は この身に 遠くあり。
瞬き翔けた 大空の矢も、今は この身に 遠くあり。
動かぬ羽は 枷の如くに 重さを増して、
引きずり歩く 他は無し。
残りの片翼を 切り落とし、嘗ての姿を 打ち捨てて、
過去の総てを 葬り去って、両目を瞑って 行けたなら、
背負うた定めの 業より放たれ、
やがて 消え行く事が できるのだろか。
例え 望みはしなくとも、やがて朝陽が昇るよに、
遥かな天空、色を写した 夜は来る。
心 躍らす幸福な、歓喜の時を 過ごしても、
眼 瞑る凄惨な、戦の果てに 立ち尽くしても、
眠らぬものなど、この世に居ない。
月齢刻む 暦を宿し 産まれきた、
総てのものは すべからく、見えぬ支配に 身を委ね、
廻る星に 想いを馳せる。
眠りを忘れて しまえたら、希望など 持ちはしないのに。
眠りの度に 押し殺したはずの、 心が 眼を覚ますから、
眠りを終えた その時に、奇跡を待って、啼くのだろ。
腐りの痛みを 枕に変えて、うつつの眠りに ぼんやりと。
過ぎた事を 嘆いても、無為な事だと 知りながら、
手放せないのは 何故だろう。
産まれた姿に こだわり続け、役目を終えた 翼を抱え
この身に 壊死が移るのを、密かに待って いるのだろうか。
腐食が進んだ 片翼は、朽ちた色を 添えたまま、
欠けた骨が 顔を出す。
背に突き立つ 刃のように、たたんだままの 翼が揺れる。
声を無くした 慟哭が、風を呼んで 弄るだけ。
月よ 導け、行く先を。
月よ 命じよ、選択を。
月よ 片翼の意味を 宣れ。
瞬き翔けた 大空の矢も、今は この身に 遠くあり。
動かぬ羽は 枷の如くに 重さを増して、
引きずり歩く 他は無し。
残りの片翼を 切り落とし、嘗ての姿を 打ち捨てて、
過去の総てを 葬り去って、両目を瞑って 行けたなら、
背負うた定めの 業より放たれ、
やがて 消え行く事が できるのだろか。
例え 望みはしなくとも、やがて朝陽が昇るよに、
遥かな天空、色を写した 夜は来る。
心 躍らす幸福な、歓喜の時を 過ごしても、
眼 瞑る凄惨な、戦の果てに 立ち尽くしても、
眠らぬものなど、この世に居ない。
月齢刻む 暦を宿し 産まれきた、
総てのものは すべからく、見えぬ支配に 身を委ね、
廻る星に 想いを馳せる。
眠りを忘れて しまえたら、希望など 持ちはしないのに。
眠りの度に 押し殺したはずの、 心が 眼を覚ますから、
眠りを終えた その時に、奇跡を待って、啼くのだろ。
腐りの痛みを 枕に変えて、うつつの眠りに ぼんやりと。
過ぎた事を 嘆いても、無為な事だと 知りながら、
手放せないのは 何故だろう。
産まれた姿に こだわり続け、役目を終えた 翼を抱え
この身に 壊死が移るのを、密かに待って いるのだろうか。
腐食が進んだ 片翼は、朽ちた色を 添えたまま、
欠けた骨が 顔を出す。
背に突き立つ 刃のように、たたんだままの 翼が揺れる。
声を無くした 慟哭が、風を呼んで 弄るだけ。
月よ 導け、行く先を。
月よ 命じよ、選択を。
月よ 片翼の意味を 宣れ。
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