闇に浮かんだ 琥珀色。
仄かな 灯かりを その身に 浴びて。
大人びた風貌だのに、瞳に宿る心は 未だ幼く しどけなく。
やんわり肌を包んだ絹は、さらりさらりと 滑り落ち、
長い黒髪、尾を引いて、君を隠す 夜着となる。

戸惑う君を 引き寄せて、強張る体を 抱きしめて。
君は 私が 怖いかい?

頬を寄せて 耳を付けて、私の鼓動を 聴いてごらん。
瞳を閉じて 手を添えて、もう少し そのままでいて。
互いの掌が 馴染むまで、もう少し そのままでいて。
互いの肌が 馴染むまで。

さぁ ゆっくり 目を開けて、私の瞳を 観てごらん。
まだ 私が怖いかい?
怖くなければ 瞬き一つ、答えておくれ。
怖くなければ そのまま一つ、口付けて。
そっとそっと 重ねてごらん。

君の眠りを 誘うよに、そっと 君の額に 口づけて。
君の微笑み 誘うよに、そっと 君の頬に 両手を添えて
君の声を 誘うよに、そっと 君の名前を 呼んで。

私の首に 腕絡め、ゆっくり 胸を 合わせてごらん。
君の髪を すきながら、指先までに 君を感じ。
どこへも 離れて ゆかぬよに、僕の背中に 手を回し。
爪を 立てても かまわない。
君が唇 噛みしめるなら、僕の肩にも 口づけて。
喰んで 歯をたてても かまわない。

まだ 私が 怖いかい?
それとも 自分が 怖いかい?
私の腕の中で咲く、昨日と違う 自分が どこか 怖いかい?
何も 恐れることはない。
君が私に 私が君に、
重なり 熔けて、しまっただけ。
瞳を閉じて 感じてごらん。
私と君の 境目を。

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