月輪の都 『犬のお巡りさん』
2004年7月2日『どうして そんな事を したんだい?』
だって、お腹が 空いていたんだもの。
食い荒らされた作物が、無残な姿で 畑に転がる。
『どうして そんな事を したんだい?』
だって 寒くて 眠られなかったんだもの。
残り火燻る焼け跡で、鼻をつくよな 臭いが蔓延る。
『どうして そんな事を したんだい?』
だって きらきら 綺麗だったんだもの。
羽を毟られ 蠢く玉虫、何百 何千、足元 大地を這いずって。
『そうして そんな事を したんだい?』
だって、ちっとも 動かなくなったんだもの。
死斑を浮かべた 小さな骸、
あんなに可愛がられて 空き地の茂みに 捨てられて。
産まれたままの 無邪気さで、可愛い子猫 鳴いている。
おやおや、一体 どうしたの?
訳知り顔で 近づいて、そっと 顔をのぞき込む。
鳴いてばかりの 子猫ちゃん、涙が零れる 事もなく。
犬のお巡りさん、困ってしまって、わんわんわわん。
わんわんわわん。
何も知らない 第三者、興味本位で 聞くけれど、
何も解決できないよ?
机の上の 秀才は、資料の山で 判断を、
罪は 罪と 裁けても、人は 人が 裁けぬように、
渇いた響きの 分析で、救われる事など 何も無い。
子猫は 悲しくて 鳴くでなく。
子猫は 善悪の存在すら 知りもせぬ。
だって、お腹が 空いていたんだもの。
食い荒らされた作物が、無残な姿で 畑に転がる。
『どうして そんな事を したんだい?』
だって 寒くて 眠られなかったんだもの。
残り火燻る焼け跡で、鼻をつくよな 臭いが蔓延る。
『どうして そんな事を したんだい?』
だって きらきら 綺麗だったんだもの。
羽を毟られ 蠢く玉虫、何百 何千、足元 大地を這いずって。
『そうして そんな事を したんだい?』
だって、ちっとも 動かなくなったんだもの。
死斑を浮かべた 小さな骸、
あんなに可愛がられて 空き地の茂みに 捨てられて。
産まれたままの 無邪気さで、可愛い子猫 鳴いている。
おやおや、一体 どうしたの?
訳知り顔で 近づいて、そっと 顔をのぞき込む。
鳴いてばかりの 子猫ちゃん、涙が零れる 事もなく。
犬のお巡りさん、困ってしまって、わんわんわわん。
わんわんわわん。
何も知らない 第三者、興味本位で 聞くけれど、
何も解決できないよ?
机の上の 秀才は、資料の山で 判断を、
罪は 罪と 裁けても、人は 人が 裁けぬように、
渇いた響きの 分析で、救われる事など 何も無い。
子猫は 悲しくて 鳴くでなく。
子猫は 善悪の存在すら 知りもせぬ。
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