あなたと寄り添い 歩いてみたい。
時に他愛の無い話、笑いながら してみたい。
気にも止めない 時間の中で、 
空気のように 感じてみたい。

大きな背中 小さな背中、くっつけあって もたれあい、
ぽかぽか 日溜まり 転寝誘う まどろう時は 緩やかに。
ことりと一つ 腕が落ち、
起こさず 起こされる こともなく
いつしか 二人 寝そべって、
心地の良さに また一睡。

幼き日々の 甘い乳の香、母の胸。
夕焼け小道に 繋ぐ掌 逞しく、じんわり温もる 父の手と。
夏の走りの 桃の味、 祖母がもいで きてくれた。
冬の終わりの 暖炉の前で 抱えてくれた、祖父の燻らす 煙草の煙。
やんちゃな喧嘩は 目覚めとともに、兄弟 団子にじゃれあった。

瞼 閉じれば 昨日のように、
思い出される 鮮やかな、かつて あった あの日々が、
私の素地を 形どる。
当たり前に 傍らにあった あの日々が、
いつまでも 続くと 信じて 疑わなかった あの日々が、
私の欲求を 形どる。

あなたと 創って 行きたい、あの日々を。
二度と 取り戻せぬ ものならば、
あなたと 二人 始めたい。

あなたも 亡くした 者ならば、
私も 亡くした 者だから、
二人 傷には 触れぬまま、
疼きを 隠して ゆきましょう。

あなたと私が 二人して、やがて父に、母になり、
やがて 祖父に 祖母になり、
目には 見えない 傷痕を、
互いに 曝けて 喋れるまで。

あなたと 寄り添い 歩いてゆきたい。
終わらぬ 争い 戦禍の中で、
二人 揃って 生き抜けたなら、
あなたと 静かに 暮らしてみたい。

http://www15.ocn.ne.jp/~haruka-a/

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

最新のコメント

日記内を検索