月輪の都 『月虹』

2004年5月30日
君の心の 中にある、 峠の見えぬ 坂道を
  ぽつりぽつりと 登り行き、 傾斜の消えた 瞬間が、 
此処は 頂き、雲の上。
足元 定めて、顔を上げ、 虹の袂を 捜しに行こう。
   
揺らめく 太陽、 月は 背に、
夜の帳が 天空を、 波の 如くに 広がれば、
姿も 露に 麗しの、 蒼き月が 道標。
 
  遥かに 聳える 断崖に、 やがて 目指して 降り来る、  
光の階段  昇る為。
 
遮るものさえ 無き光、 矢の如くに 降り注げ。
君の体を 突き抜けて、影すら 消さん ばかりまで。
 
帰る道すら 此処になく、辿りつたと 想っても、
座標は 常に 零点で、記す答えに、「解は無し」。
 
しじまに伸びた 虹の先。
刃の光は 幾重にも、月へと 渡る 太鼓橋。
 
君の 心の 中にある、生まれ持ちたる 魂に、
深く 刻まれ 疼くもの。
  
総ての 生命を 支配する、 月へと 還る 本能に、 
激しき 郷愁、 涙する。
 
月へと 延びた 虹の橋。 
彷徨い 求めて 捜すもの。

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