月輪の都 『玉華楼』
2002年11月15日赤い 紅い 大輪の花。
零れんばかりに 反り返り、咲き誇り。
青い 蒼い 静凛の花。
玻璃の如くに 冴えた光は、宝玉の。
そのどちらにも君を観た。
そのどちらにも在る君よ。
熟れた果実の 芳醇な香りを 滲ませて、
若木の葉の 芽吹く吐息を 漂わせ。
日輪のように、燃え盛り、衰え知らぬ、唯一無二の存在感。
月輪のように、日毎、表情(かお)も姿も、印象すらも変えていく。
胡弓・古筝の響きあり、水面に映るは、月の船。
落ちた柳の葉が、櫂のよう。
夜目にも褪せぬ 色鮮やかな、湖上の楼閣 密やかに。
ああ、けれど、何処か 艶やかな佇まい。
天へと反った 甍の影は、君の背(せな)。
光沢孕む 朱色の柱は、君の口。
床に差し込む 月明かり、浴びて揺れるは、絹の髪。
囁きあうが似合いの頃よ。
睦みあうが似合いの頃よ。
宵に集へ、恋人達よ。
陽に語らへ、恋人達よ。
黄昏に 並び横たえ、重なり寝そべり、落日を見よ。
其は、陰陽の片割れと、囁き合うがいい。
惑わされながら、激しき斜光を浴び続け、
やがて、その瞳に 闇が 宿るまで。
網膜を焼き尽くす、幻惑の明かりを見続けて、
何も 映さぬようになる程に。
魃の日がきても、溺の日がきても、その身に
何も 感じぬようになる程に。
対極に 在りて、尚も 求め合う 者たちよ。
対極に 在るが、故に 求め合う 者たちよ。
その足元は、広大な豊穣の大地なのか、
切立つ不毛の断崖なのか、
肉を喰らいて 毒を服すのか、
体を従え、心奪われるのか。
対極に 在りて、故に 渇望する もの達よ。
対極に 在るが、尚も 執着する もの達よ。
その手に抱くは、その身に感ずるは、その記憶に刻みしは、
なんで あるか、問いもせぬか。
なんで あるのか、問わぬのか。
http://www.rinku.zaq.ne.jp/haruka-akito/
零れんばかりに 反り返り、咲き誇り。
青い 蒼い 静凛の花。
玻璃の如くに 冴えた光は、宝玉の。
そのどちらにも君を観た。
そのどちらにも在る君よ。
熟れた果実の 芳醇な香りを 滲ませて、
若木の葉の 芽吹く吐息を 漂わせ。
日輪のように、燃え盛り、衰え知らぬ、唯一無二の存在感。
月輪のように、日毎、表情(かお)も姿も、印象すらも変えていく。
胡弓・古筝の響きあり、水面に映るは、月の船。
落ちた柳の葉が、櫂のよう。
夜目にも褪せぬ 色鮮やかな、湖上の楼閣 密やかに。
ああ、けれど、何処か 艶やかな佇まい。
天へと反った 甍の影は、君の背(せな)。
光沢孕む 朱色の柱は、君の口。
床に差し込む 月明かり、浴びて揺れるは、絹の髪。
囁きあうが似合いの頃よ。
睦みあうが似合いの頃よ。
宵に集へ、恋人達よ。
陽に語らへ、恋人達よ。
黄昏に 並び横たえ、重なり寝そべり、落日を見よ。
其は、陰陽の片割れと、囁き合うがいい。
惑わされながら、激しき斜光を浴び続け、
やがて、その瞳に 闇が 宿るまで。
網膜を焼き尽くす、幻惑の明かりを見続けて、
何も 映さぬようになる程に。
魃の日がきても、溺の日がきても、その身に
何も 感じぬようになる程に。
対極に 在りて、尚も 求め合う 者たちよ。
対極に 在るが、故に 求め合う 者たちよ。
その足元は、広大な豊穣の大地なのか、
切立つ不毛の断崖なのか、
肉を喰らいて 毒を服すのか、
体を従え、心奪われるのか。
対極に 在りて、故に 渇望する もの達よ。
対極に 在るが、尚も 執着する もの達よ。
その手に抱くは、その身に感ずるは、その記憶に刻みしは、
なんで あるか、問いもせぬか。
なんで あるのか、問わぬのか。
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