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月輪の都 『蔓』
2002年10月28日じわり 足元 這い上がり
ゆらり 螺旋の触手を 揺らし
そろり 添わすは 仰け反る肢体。
舞来る花びら 愛で踊り、
虫の囁き 臥して謳ゐ、
豊穣の 実りを湛へて震え、
行き過ぎたる 冬将軍を 見送れば、
何時ぞに 這うたか、弧の触手。
遠慮がちに 添うてた筈が、
しっかと 肌にしがみつき、
気付けば 落ちぬ 染まりよう。
空の星と 同じ道、
ぐうるり 巻ゐて 天へと昇る。
みちり みちりと 音がする。
ざわり ざわりと 呻く声。
それは 彩り装ふ 美に見えて、
なのに 実は 鬩ぎ合ふ。
ぎちり ぎちりと 絞め殺し、
堅ゐ 樹皮に 食ゐ込んで、
悲鳴を 糧に 潜り込み、
やがて 朽ちて 枯れるよう。
共に 在りなば よろしきが、
共に 朽ちる 果てなりし。
されど それが 生くる事。
さりとて それが 生くる事。
http://www.rinku.zaq.ne.jp/haruka-akito/
ゆらり 螺旋の触手を 揺らし
そろり 添わすは 仰け反る肢体。
舞来る花びら 愛で踊り、
虫の囁き 臥して謳ゐ、
豊穣の 実りを湛へて震え、
行き過ぎたる 冬将軍を 見送れば、
何時ぞに 這うたか、弧の触手。
遠慮がちに 添うてた筈が、
しっかと 肌にしがみつき、
気付けば 落ちぬ 染まりよう。
空の星と 同じ道、
ぐうるり 巻ゐて 天へと昇る。
みちり みちりと 音がする。
ざわり ざわりと 呻く声。
それは 彩り装ふ 美に見えて、
なのに 実は 鬩ぎ合ふ。
ぎちり ぎちりと 絞め殺し、
堅ゐ 樹皮に 食ゐ込んで、
悲鳴を 糧に 潜り込み、
やがて 朽ちて 枯れるよう。
共に 在りなば よろしきが、
共に 朽ちる 果てなりし。
されど それが 生くる事。
さりとて それが 生くる事。
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