月輪の都 『記憶』

2002年8月25日
壊れたモノが愛しいと、
古びたモノが愛しいと、
掠れたモノが愛しいと、

僕は 疼く記憶を 手放せない。

良かった事だけを思い出し、
楽しかった事だけを拾い集め、
幸せだったことだけを紡いでいければ、
きっと、良かったのだろうけど。

僕は そんなに 器用じゃない。

総てを無かった事にして、
己の記憶を操作して、
永遠に忘れ去る事が出来るのなら、
もっと、心の底から笑えるのだろうけど。

僕は 冷めた瞳を 隠せない。

時間が癒してくれるなら、
凝固した意識を砕いてくれるなら、
いっそ、原子よりも 粉々に。

僕も 一緒に 消してくれ。 

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