月輪の都 『忌み子』
2002年8月17日とんとんからり、とんからり。
ねぇ、母さん。
僕を 見ては くれないね。
とんとんからり、とんからり。
ねぇ、母さん。
無心に見つめる 糸の先。
僕の 顔は 映らない。
とんとんからり、とんからり。
ねぇ、母さん。
巧みに動く 白い手で、
紡ぐ糸は くるくると、
螺旋を描いて 踊るけど、
僕の 指は 届かない。
とんとんからり、とんからり。
ねぇ、母さん。
僕を 産んだ 筈なのに、
どうして 顔を 背けるの。
とんとんからり、とんからり。
規則正しい 機の音。
見事 織り成す 生地のよう、
上手な嘘を 積み重ね、
産んだことすら 忘れ去り、
僕の 声を 聞かないね。
とんとんからり、とんからり。
ねぇ、母さん。
僕の 額に 角が生え、
僕の 口に 牙が生え、
僕の 背中に 刺が生え、
そういう姿に 産んだのに、
僕を 認めて くれないね。
とんとんからり、とんからり。
ねぇ、母さん。
僕に ご飯を くれないか?
凍える孤独と、燃える憎悪の、
美味い 美味い ご飯を おくれ。
http://www.rinku.zaq.ne.jp/haruka-akito/
ねぇ、母さん。
僕を 見ては くれないね。
とんとんからり、とんからり。
ねぇ、母さん。
無心に見つめる 糸の先。
僕の 顔は 映らない。
とんとんからり、とんからり。
ねぇ、母さん。
巧みに動く 白い手で、
紡ぐ糸は くるくると、
螺旋を描いて 踊るけど、
僕の 指は 届かない。
とんとんからり、とんからり。
ねぇ、母さん。
僕を 産んだ 筈なのに、
どうして 顔を 背けるの。
とんとんからり、とんからり。
規則正しい 機の音。
見事 織り成す 生地のよう、
上手な嘘を 積み重ね、
産んだことすら 忘れ去り、
僕の 声を 聞かないね。
とんとんからり、とんからり。
ねぇ、母さん。
僕の 額に 角が生え、
僕の 口に 牙が生え、
僕の 背中に 刺が生え、
そういう姿に 産んだのに、
僕を 認めて くれないね。
とんとんからり、とんからり。
ねぇ、母さん。
僕に ご飯を くれないか?
凍える孤独と、燃える憎悪の、
美味い 美味い ご飯を おくれ。
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