夢に泣く。
君を 心に 思ふたび。
月に哭く。
君を この手に 抱(ゐだ)くたび。
空に 鳴く。
君を 灰に 帰すたび。
人に 啼く。
君の 影を 探すたび。

君は 華厳より 去り逝きて、
僕は 翔べぬ 己に 歯がみして、
記憶を 浄化し しがみつく。

君が 現世に 居るのなら、
命の限りに 探し出す。

ああ、けれど、君を 追ふては ゆけぬ。
ああ、けれど、君に 逢ゐには ゆけぬ。

君は 輪廻の輪の中に 辿り付けて いるのかな。
僕は 巡る運命を この身に持ち得ているのかな。

逝きて 戻らぬ 旅路へと 
舟を漕ぎ出し 帆を掲げ、月の道を 進まんと、
心は 常に 急いてゐる。

ああ、けれど、僕の裾を 引く手あり。
ああ、けれど、君の名残が 無邪気に 笑ふ。

この円らな 縋る目を、この小さき もみじ手を、
振り払うて 置き去って 
心 残して、追ふては 逝けぬ。 

君を 想へば 涙で 霞む。
君を 捜せば 心が 騒ぐ。

君の残した 幼子が 遊び疲れて 眠る頃、
月の道は 海の上。
凪いだ水面に ゆらゆらと、
誘うが 如くに 煌いて。

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