月輪の都 『砂漠』

2002年7月21日
心の中に 抱えた砂漠。
夢の如き 月の砂漠と 程遠く。

流砂が潜み 砂嵐が 吹きすさび、
砂の薔薇が転がって、熱砂が目を焼き、
凍土が皮膚を 侵食し、走る脚を絡めとり、
倒れ臥した 体を飲み込んで、
私は 徐々に 干からびてく。

砂丘に遠く キャラバンの
優雅な 歩みを 耳に聞き、
霞む視界に 冷めた月。
 
遮るものさえ 存在しない、
私と月との はるかな距離に
届かぬ思いは 彷徨うばかり。

もがくほどに 呑まれゆき、
転がるほどに 引き摺られ、
倒れるほどに 埋められる。

私の心に 横たわる、砂漠は 消える事がない。
私の心に 蔓延った、砂漠は 今も広がって、
私の心に 渦巻いた、砂漠は 誰かを待っている。

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