月輪の都 『鬼灯』
2002年7月19日この眼(まなこ)に映る 真実は、
この掌(て)に握る 真実は、
この口(ことのは)に迸る 真実は、
総て まやかし 泡沫の 浅き夢じゃ、と
可可と嗤ゐて 死者が云ふ。
この腕(かいな)に抱く 真実は、
この背に疼く 真実は、
この身に食い込む 真実は、
妖しき 媚薬 狂わせたまへ、と
にたりと 嗤ふは 潜む者。
耳を欹(そばだ)て 息を殺し、
眼(まなこ)を細めて 手を握り、
闇より 来(きた)る 足音を、
臥して 待つは 宵の月。
幽かな鈴音 風運び、
ゆらりゆらりと鬼灯(ほおずき)が、
愛しき人を 連れてくる。
霞みを纏(まと)ひし されこうべ。
しかと 知りて おりながら、
さりとて 喚びしは 愛でし人。
何をも 知らぬ 訳でなし。
何をも 捨てる 訳でなし。
只 其処に すぐ傍に 今 此処に、
愛しき あなたが 微笑うから。
http://www.rinku.zaq.ne.jp/haruka-akito/
この掌(て)に握る 真実は、
この口(ことのは)に迸る 真実は、
総て まやかし 泡沫の 浅き夢じゃ、と
可可と嗤ゐて 死者が云ふ。
この腕(かいな)に抱く 真実は、
この背に疼く 真実は、
この身に食い込む 真実は、
妖しき 媚薬 狂わせたまへ、と
にたりと 嗤ふは 潜む者。
耳を欹(そばだ)て 息を殺し、
眼(まなこ)を細めて 手を握り、
闇より 来(きた)る 足音を、
臥して 待つは 宵の月。
幽かな鈴音 風運び、
ゆらりゆらりと鬼灯(ほおずき)が、
愛しき人を 連れてくる。
霞みを纏(まと)ひし されこうべ。
しかと 知りて おりながら、
さりとて 喚びしは 愛でし人。
何をも 知らぬ 訳でなし。
何をも 捨てる 訳でなし。
只 其処に すぐ傍に 今 此処に、
愛しき あなたが 微笑うから。
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